インフラファンド(3)
現在、インフラファンドの利回りは6%前後と記載されているものが多い。
利回り6%は、複利運用(分配金を再投資)すれば、12年で元本が倍になる利回りであり、ミドルリターンといえるだろう。
ただ、インフラファンドの利回りについては、利益超過分配金を含めて計算されているものが多いことに注意しなければならない。
利益超過分配金は利益の分配ではなく、投資の払い戻しである。
分配金のうち利益超過分配金の割合が無視できるほどに小さければよいが、インフラファンドに関しては、そうとはいえない状況だ。
インフラファンドの分配金のうち利益超過分配金の割合は、銘柄により異なっているが、10~50%程度である。
つまり銘柄によっては、分配金の半分は投資の払い戻しなのである。
仮に、公募価格に対して年間6%の分配金(うち3%は利益超過分配金)が20年間継続して行われたとすれば、20年間で公募価格の60%(=3%×20年)が払い戻されることになる。
当然ながら、公募価格の60%が払い戻されると、20年後の投資法人には公募価格の40%しか残らない。
残った40%については再投資をするか、有望な投資先が見つからなければ、一括して払い戻す(残余財産分配)というシナリオもありうる。
この場合、20年間全体のリターンは分配金120%(6%×20年)、残余財産分配40%のあわせて160%となる。
20年で投資額が160%になるということは、つまり利回りは3%ということである。
現状では、利益超過分配金を含めた利回り6%が独り歩きしているように思う。
長期的な投資判断をするうえでは、利益超過分配金を含めずに計算された利回りを参考にすべきであろう。
(以下、参考)
2020年10月30日投資口価格ベース
◇分配金利回り(利益超過分配金を含む)
タカラ 5.72%
いちご 6.49%
日本再 6.05%
カナデ 5.70%
東京イ 6.62%
エネク 5.78%
JIF 5.74%
◇分配金利回り(利益超過分配金を含まない)
タカラ 5.17%
いちご 2.76%
日本再 3.66%
カナデ 4.66%
東京イ 3.94%
エネク 2.26%
JIF 3.63%
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